皮膚感覚特性を利用したインターフェース

2013-0130-17
研究者名
研究者情報 藤本 浩志 教授
所属
人間科学学術院 人間科学部
専門分野
リハビリテーション科学・福祉工学,知能ロボティクス
キーワード
リハビリテーション科学・福祉工学 、 接触センシング 、 ユニバーサルデザイン 、 アクセシブルデザイン 、 拡張現実

背景

視覚や聴覚などの感覚と比べて、触覚(皮膚感覚)の特性は解明されていない点が多い。形状・構造・圧力・硬さ・テクスチャや滑り具合等の質感など、様々な特性が混在する対象を触ることは我々が日常的に行っているが、その識別においては複合的なメカニズムが働いている。触覚の定量的評価を確立して識別能力を分析し、触覚に基づく情報提示や、指で操作するデバイスの機能改善、新しいインターフェースの創出を目指している。

シーズ概要

視覚障がい者への情報提示設計接触面積の違い、層構造や硬さ(ヤング率)、滑りやすさ、など様々な触覚センシングの特性分析と、それを活用したデバイスの提案振動刺激がもたらす上腕伸展錯覚の分析

応用・展開

読みやすい点字形状や触知案内図のガイドライン PC操作マウス、リモコン、スイッチ類、タッチパネル等、触覚デバイスや触感デザイン遠隔操作やVR技術のインターフェースの向上

優位性

現場の声(健常者・障がい者・高齢者ニーズ)に基づいた評価手法・基礎研究から、アクセシブルデザインを重視したモノづくりにつなげる実用化研究まで取り組んでいる。また、国内外の標準(JISやIS)の策定についても、経産省日本工業標準調査会(JISC)高齢者・障害者支援専門委員会の委員を務め、当該領域にISOへの提案や審議を担当しており、知見蓄積も豊富である。これらを通して触覚情報提示やデバイス設計の最適化ノウハウを有している。

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

資料

  • 図1 消費生活製品の操作性向上に寄与する凸記号の寸法及び断面形状に関する評価
  • 図2 触知記号・浮き出し文字の識別特性に関する研究
  • 図3 ヒトの硬さ識別特性に関する研究
  • 図4 受動触によって生起されるベルベット感の実験的検討

関連論文

  • 1.「凸点の高さと先端部の曲率半径が携帯電話の操作性に及ぼす影響」豊田航,齋藤健太郎,土井幸輝,藤本浩志、日本機械学会論文集C編,Vol.78, No.794, pp.3495-3503, 2012
  • 2.「触知記号・浮き出し文字の識別容易性」土井幸輝,藤本浩志,和田勉,佐川賢,伊藤納奈、バイオメカニズム21,pp.81-91, 2012
  • 3.「弾性物体を対象物としたヒトの指先の硬さ弁別特性」千葉亮,土井幸輝,藤本浩志、ヒューマンインタフェース学会論文誌,Vol.8, No.4, pp.573-578,2006
  • 4.「受動触によって生起されるベルベット感の実験的検討」土井幸輝,數藤貴,藤本浩志、バイオメカニズム20、pp.125-134、2010

他のシーズ

  • 下肢運動機能の解析に基づいた設備や装具の開発
掲載日: 2013/01/30