アンチエイジング物質のスクリーニング技術

2013-0130-03
研究者名
研究者情報 千葉 卓哉 教授
所属
人間科学学術院
専門分野
環境生理学(含体力医学・栄養生理学),食生活学,医化学一般,実験病理学
キーワード
実験病理学 、 薬・ゲノム薬理学 、 発達・成長・老化 、 加齢医学

背景

老化の抑制、寿命の延長は昔から多くの人々の関心を引いてきたテーマである。また、老化は生活習慣病やがんなどを発症させるリスク要因のひとつでもある。老化を制御する手法や生理活性物質は、治療薬や健康食品成分へ応用しうる。一方、酵母からマウス、アカゲザルに至るまで、摂取カロリーを自由摂取量の6-7割に制限すると、寿命の延長や老化関連疾患の発症が抑制されることが知られている。

シーズ概要

カロリー制限による抗老化作用と同等の効果をもたらす物質を探索・評価するための、スクリーニング培養細胞およびトランスジェニックマウスの系を確立している。長寿関連転写因子結合配列 (DFCR-RE; DwarFism and Calorie Restiriction-Response Element) をレポーター遺伝子(分泌型アルカリフォスファターゼ)の上流に組み込み、この配列に結合する転写因子の活性化を間接的に測定する。また、本抗老化作用の代謝経路で働くニューロペプチドYに着目した解析も行っている。

応用・展開

老化疾患改善にかかる創薬、抗老化サプリメントなど、アンチエイジング効果を持つ新規物質(医薬品・化粧品・食品・農産物・ペットフードなど)の同定健康食品等に含まれる成分など、既知シーズの評価

優位性

カロリー制限を模倣する、サーチュイン活性化剤の探索を目的とする従来技術としてはSIRT1活性化物質を利用したものがあるが、アーティファクトの存在、vitroとvivoでの作用の差異、標的分子が他にも存在することなどの問題があり、現状では適切な評価系は存在しない。本法においては数日~数週間のスパンで効果予測を行える。また、生きたままのマウスをリアルタイムで解析可能である。特定の分子を標的としたTargetアプローチではなく、抗老化に関連するPathwayあるいはPhenotypeを標的としており、これまでにない作用をもつ新規アンチエイジング物質の同定が期待される。

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

関連論文

  • 1. Chiba T, Tsuchiya T, Mori R, Shimokawa I. Protein Reporter Bioassay Systems for the Phenotypic Screening of Candidate Drugs: A Mouse Platform for Anti-aging Drug Screening. Sensors 2012, 12, 1648-1656
  • 2. Chiba T, Tsuchiya T, Komatsu T, Mori R, Hayashi H, Shimokawa I. Development of Calorie Restriction Mimetics as Therapeutics for Metabolic, Inflammatory, and Neurodegenerative Diseases. Curr. Genomics. 2010, 11:562-567
  • 3. Chiba T, Tsuchiya T, Komatsu T, Mori R, Hayashi H, Shimano H, Spindler SR, Shimokawa I. Development of a bioassay to screen for chemicals mimicking the anti-aging effects of calorie restriction. Biochem. Biophys. Res. Commun. 2010, 401(2):213-218.

関連特許

  • 特願2009-189136 カロリー制限模倣物のスクリーニング方法 出願人:長崎大学
  • 特願2007-61075 寿命延長関連遺伝子およびその用途 出願人:長崎大学

他のシーズ

  • DNA損傷応答傷害と早老症
  • カロリー制限による抗老化作用を応用した機能性分子の評価および探索
掲載日: 2013/01/30