室内空間におけるSVOC(準揮発性有機化合物)に関する研究
2012-1001-08
- 研究者名
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研究者情報 田邉 新一 教授
- 所属
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理工学術院 創造理工学部
- 専門分野
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建築環境・設備
- キーワード
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環境計測 、 建築環境・設備 、 環境マネジメント 、 準揮発性有機化合物 、 シックハウス
背景
沸点の高い準揮発性有機化合物(Semi-Volatile Organic Compounds: 以下SVOCと呼ぶ)に関する室内汚染対策は進んでいない。SVOCの中にはハウスダストや室内表面に付着する性質を持つ物質がある。室内でのSVOCの放散源は多種多様であること、体内に蓄積されて健康被害を及ぼす可能性が指摘されている。海外の研究では、ハウスダスト中フタル酸エステル類の濃度と子供の喘息やアレルギー症状には関係性が見られるとの報告がある。幼児のハウスダスト摂取量は成人の10倍以上であることから、ハウスダスト中SVOC濃度は成人より幼児方がリスク高いと考えられている。
シーズ概要
本研究室ではハウスダストの捕集のため、新たな捕集ノズルの開発を行いハウスダスト中のSVOC濃度に関する分析を行っている。一般住宅のみならず自然素材住宅や幼稚園など様々な空間においても測定を行い、室内のSVOC汚染レベルを測定している。また、室内の仕上げ材からのSVOC放散速度も測定し、建材からのSVOC放散速度がハウスダスト中のSVOC濃度にどのくらい影響を与えているのかなど、室内のSVOC汚染に関する対策を作るために様々な研究を実施している。
応用・展開
マイクロチャンバーを用いてSVOCの室内挙動に関するメカニズム実験などを行う。
優位性
マイクロチャンバーを用いて建材からのSVOC放散速度の測定が可能になった。
提供目的
受託研究、共同研究、技術相談
関連論文
- ・日本・韓国の住宅におけるハウスダスト中DEHP濃度の測定、日本建築学会環境系論文集、2010年8月、金 炫兌、田辺 新一、岡田 厚太郎
- ・韓国住宅におけるリフォーム前後のハウスダスト中DEHP濃度と床材からのSVOC放散速度、日本建築学会環境系論文集、2011年7月、金 炫兌、田辺新一、金泰佑、川村聡宏
- ・準揮発性有機化合物(SVOC)の測定・評価法の開発(その7)マイクロチャンバー法を用いた床材からのSVOC放散速度比較、空気調和 ・ 衛生工学会大会学、2011年9月、川村 聡宏、金 炫兌、田辺 新一
- ・準揮発性有機化合物(SVOC)の測定・評価法の開発(その5)ハウスダスト中SVOC濃度と建材のSVOC放散速度測定、空気調和・衛生工学会大会、2010年9月、金 炫兌、川村 聡宏、田辺 新一
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掲載日:
2012/10/01