自動車室内の快適な温熱環境に関する研究
2012-1001-06
- 研究者名
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研究者情報 田邉 新一 教授
- 所属
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理工学術院 創造理工学部
- 専門分野
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建築環境・設備
- キーワード
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環境計測 、 ストレスマネジメント 、 システム生理学 、 環境マネジメント 、 人体モデル
背景
自動車室内の冷房負荷削減は、地球温暖化を制御するために緊急を要する問題である。車室内の快適性向上とともに、よりエネルギー消費量の少ない空調方式が求められている。しかし、熱的に非定常・不均一となりやすい車室内空間に対して、均一な建築空間を前提とした快適性評価指標を提供することは困難である。
以上の様な背景から、ISO14505では車室内空間の快適性評価として、乗員部位別の等価温度を算出する手法が適用されている。 また、 人体の生理量予測として体温調節数値モデルが利用されているが、不均一環境下における生理量を詳細に再現するには課題が残っており、快適性予測技術の発展が望まれる。
以上の様な背景から、ISO14505では車室内空間の快適性評価として、乗員部位別の等価温度を算出する手法が適用されている。 また、 人体の生理量予測として体温調節数値モデルが利用されているが、不均一環境下における生理量を詳細に再現するには課題が残っており、快適性予測技術の発展が望まれる。
シーズ概要
本研究では、非定常・不均一な温度環境下における快適性予測を目的とし、車室内乗員の詳細な生理量予測、快適性予測を試みている。夏季炎天下条件、冬季暖房条件に実車両を用いた被験者実験を実施し、予測精度の検証データを得ている。
それらの結果を基に、体温調節数値モデルである人体熱モデルJOSの開発・改良に加えて、人体熱モデルJOSと数値流体解析CFD・放射解析との連成計算を行っている。
それらの結果を基に、体温調節数値モデルである人体熱モデルJOSの開発・改良に加えて、人体熱モデルJOSと数値流体解析CFD・放射解析との連成計算を行っている。
応用・展開
本研究により非定常・不均一な温度環境下における自動車室内での人体の生理量の予測、快適性の予測方法が確立することにより、現在確立されていない快適性を維持した上での自動車空調の省エネルギー化のシュミレーションなどの次世代の快適性予測技術の研究への発展が可能となる。
優位性
本研究により現在の段階では確立されていない非定常・不均一な温度環境下での人体の生理量の予測・快適性の予測をシュミレーションにより算出することが可能となり、快適性予測技術の発展が期待される。
提供目的
受託研究、共同研究、技術相談
関連論文
- ・森勇司,部位別冷却時の車室内乗員の快適性予測手法に関する研究,日本建築学会,2012年,その47
- ・森勇司,夏季日射条件下における車室内乗員の快適性に関する研究,卒業論文,2008年
- ・吉村真一,CFDを用いた車室内温熱環境予測に関する研究,修士論文,2011年
- ・小林裕,体温調節モデルJOS-2の開発― Head部位の4層化による改善,日本建築学会,2012年,その45
他のシーズ
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掲載日:
2012/10/01