ZEB化省エネビルにおける快適性・知的生産性評価
2012-1001-05
- 研究者名
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研究者情報 田邉 新一 教授
- 所属
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理工学術院 創造理工学部
- 専門分野
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建築環境・設備
- キーワード
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環境計測 、 環境モデル 、 環境経済 、 ストレスマネジメント 、 建築環境・設備 、 ZEB
背景
近年、環境汚染の抑制や低炭素社会の実現に向け、世界的に省エネルギーが注目されている。日本では民生部門が最終エネルギー消費量の約3割であり、このうち業務部門が約6割を占めている。CO2排出量も年々増加傾向にあることから、建築物の省エネおよび省CO2が強く求められている。 特に、膨大なストックが存在する中小規模の既築ビルにおける対策は急務である。
さらに、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響により日本では深刻な電力不足が起こり、オフィスビルにおいては運用面での更なる省エネが求められている。しかし、照度の低下や空設備の使用制限といった運用面での省エネ対策は、知的生産性の低下の原因となる可能性が考えられるため、省エネと作業空間の快適性、および知的生産性の両立が現在のオフィスビルの課題となっている。
さらに、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響により日本では深刻な電力不足が起こり、オフィスビルにおいては運用面での更なる省エネが求められている。しかし、照度の低下や空設備の使用制限といった運用面での省エネ対策は、知的生産性の低下の原因となる可能性が考えられるため、省エネと作業空間の快適性、および知的生産性の両立が現在のオフィスビルの課題となっている。
シーズ概要
本研究ではZEB(net-Zero Energy Building)の実現に向けて改修が行われたオフィスビルにおいて、改修前後の物理環境、執務者満足度の変化を調査することにより、ZEB化改修の有効性を検証している。
応用・展開
一般的な中小既築業務用ビルへのZEB化への応用や省エネ化改修を促す手掛かりとすることや、対象建物に対して更なる改善をするための提案を行う。
優位性
アンケートにて調査した節電前後の知的生産性の変化率に関して、当オフィスでは平均4.0%低下したと申告していた。しかし本年度著者らが行った一般オフィスでの節電前後の生産性は6.6%低下したと申告しており、これと比較すると、低下率は少ない値に留まった。
提供目的
受託研究、共同研究、技術相談
関連論文
- ・松戸ら,中小既築業務用ビルにおける再生可能エネルギーを活用したZEB化の実証(第1報)改修の概要と省エネルギー効果の測定,空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集,pp1035-1038,2010
- ・今成ら,中小既築業務用ビルにおける再生可能エネルギーを活用したZEB化の実証(第2報)改修後6ヶ月のエネルギー消費実績の概要,空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集,pp2385-2388,2011
- ・田辺ら,東日本大震災後の節電環境下における夏季オフィスの快適性・知的生産性・エネルギー消費量(その1)節電意識と物理環境測定結果,日本建築学会大会学術講演梗概集,投稿中,2012
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掲載日:
2012/10/01