オフィスの生産性・経済性と省エネルギーの両立シナリオ
2012-1001-04
- 研究者名
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研究者情報 田邉 新一 教授
- 所属
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理工学術院 創造理工学部
- 専門分野
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建築環境・設備
- キーワード
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環境計測 、 環境モデル 、 環境経済 、 ストレスマネジメント 、 建築環境・設備 、 省エネルギー
背景
省エネルギーの実現は、地球規模での喫緊かつ重要な課題であり、省エネルギーと経済性の両立の実現は、大変重要である。近年は省エネ性を高めながら快適性や知的生産性の向上を意図した設計事例も増加しているが、知的生産性については各環境要素や執務者の行動との関連性が未だ解明されておらず、オフィスの生産性を評価することは難しいのが現状である。
シーズ概要
本研究では、実オフィスにおける執務空間に要求される環境要素と知的活動の相互関係の整理と、実オフィスにおける執務空間が執務者に及ぼす影響の把握を目的とし、 室内環境調査、執務者行動調査、 およびアンケート調査を実施した。 さらに、知的活動、執務者行動、執務空間の相互関係を分析し、知的生産性・省エネルギー性の観点から執務空間に要求される環境要素の検討を行った。
[研究成果]
(1) 知的活動ごとに重要な執務者行動が異なり、知識創造には拡散的思考やインフォーマルコミュニケーション、リラックスなどの多様な執務者行動が重要であるという申告結果が得られた
(2) 対象建物では、ミーティングスペースだけでなく、自席周りでも活発にコミュニケーションが行われていた。
(3) 環境に対する満足度には、物理環境に加え、滞在時間および執務者行動内容による環境への期待度が影響している可能性が示唆された。
(4) 対象建物では、各環境満足度に影響を与えた環境因子として、温熱環境には「温冷感」、「出社時の暑さ」、「残業時の空調停止」が、光環境には「自然採光」、「タスク照明の明るさ」、「窓からの眩しさ」が、空気質環境には「空気のよどみ」、「ほこりっぽさ」が、音環境には「騒音」、「静寂」が、空間環境には「空間の多様性」、「アクセスのよさ」、「空間の大きさ」が抽出された。
[研究成果]
(1) 知的活動ごとに重要な執務者行動が異なり、知識創造には拡散的思考やインフォーマルコミュニケーション、リラックスなどの多様な執務者行動が重要であるという申告結果が得られた
(2) 対象建物では、ミーティングスペースだけでなく、自席周りでも活発にコミュニケーションが行われていた。
(3) 環境に対する満足度には、物理環境に加え、滞在時間および執務者行動内容による環境への期待度が影響している可能性が示唆された。
(4) 対象建物では、各環境満足度に影響を与えた環境因子として、温熱環境には「温冷感」、「出社時の暑さ」、「残業時の空調停止」が、光環境には「自然採光」、「タスク照明の明るさ」、「窓からの眩しさ」が、空気質環境には「空気のよどみ」、「ほこりっぽさ」が、音環境には「騒音」、「静寂」が、空間環境には「空間の多様性」、「アクセスのよさ」、「空間の大きさ」が抽出された。
応用・展開
今後、これまで測定を行ってきた建物と合わせて解析をすすめることで、「知的生産性の影響を及ぼす因子」を明らかにしていく
優位性
知的生産性について今まで明らかにされていなかった各環境要素や執務者の行動との関連性を実オフィスにおけるアンケート調査により明らかにした
提供目的
受託研究、共同研究、技術相談
関連論文
- ・羽田他, 夏季室温緩和設定オフィスにおける温熱環境実測および執務者アンケート調査による知的生産性に関する評価, 日本建築学会環境系論文集, 2009
- ・伊藤他, 低炭素化と知的生産性に配慮した最先端オフィスの調査研究 その11~13, 日本建築学会大会梗概集, 2011
- ・樋口他, 低炭素化と知的生産性に配慮した最先端オフィスの調査研究 (第2報)移転前オフィスにおける室内環境およびコミュニケーション調査, 空気調和・衛生工学会大会梗概集, 2011
他のシーズ
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スポット空調・パーソナル空調による熱的快適性実現
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掲載日:
2012/10/01