スポット空調・パーソナル空調による熱的快適性実現
2012-1001-01
- 研究者名
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研究者情報 田邉 新一 教授
- 所属
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理工学術院 創造理工学部
- 専門分野
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建築環境・設備
- キーワード
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熱物性 、 建築環境・設備 、 環境流体工学 、 エネルギーシステム 、 スポット空調
背景
近年、温室効果ガス削減に向けて日本のオフィスでは冷房設定温度を28℃ とし、服装を調整するCOOLBIZの取り組みが行われている。しかし、実際にCOOL BIZを実施するオフィスでは温熱環境に関する不満足者率が高いという報告がある。そのことから、冷房設定温度緩和オフィスにおいて省エネルギー性を保ちつつ執務者に快適な室内環境を確保することが重要である。その一つの方策として、冷風による膜放射冷房と気流の個別調節性を持つスポット空調を組み合わせた空調システムの研究がなされてきた。
シーズ概要
当該研究では、気流の個別選択性を持つパーソナル空調による快適性および知的生産性を評価することを目的として、同空調システムが導入され、実際に運用されているオフィスにおいて、風量選択可否を変えた条件を設定し、実測調査を行った。その結果、パーソナル空調の風量を選択可能とした条件において、温熱満足度が有意に高い値を示し、快適性が向上し、気流の個別選択性をもつスポット空調が執務者の快適性を向上させる可能性が示された。
応用・展開
上記実測オフィスにおいて、空調室内機の運転方式を輪番運転とした条件のとき、快適性を損ねることなく、省エネルギー性が向上した。同実測により、空調の稼働方式や空気設定温度を考慮することが、スポット空調によるオフィスにおける執務者の快適性を更に向上させる可能性を示した。
優位性
スポット空調の気流の個別調節性が執務者の温熱快適性に影響を及ぼす可能性を示した。
提供目的
受託研究、共同研究、技術相談
関連論文
- ・和田ら:タスクアンビエント対応膜放射冷房システムを導入オフィスにおける実測調査(その1〜4), 日本建築学会学術講演梗概集,2011年8月
- ・和田ら:タスク・アンビエント対応膜放射冷房システムの性能評価(第3,4報),空気調和・衛生工学大会学術講演論文集,2011年9月
他のシーズ
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掲載日:
2012/10/01