教育利用を目指した片麻痺歩行の擬似体験装具の開発

2012-0319-01
研究者名
研究者情報 上杉 繁 教授
所属
理工学術院 創造理工学部
専門分野
知能機械学・機械システム
キーワード
ヒューマンインターフェイス 、 感性デザイン学 、 脳認知科学 、 感性情報処理 、 健康・福祉工学

背景

理学療法士や看護師育成の教育現場では、片麻痺患者への理解を深めるために片麻痺の疑似体験実習を行っている。しかし、既存の体験装具は間接近傍に「固定された動きづらさ」という負荷のみを与える仕様となっており、擬似体験としては不十分であることが指摘されている。

シーズ概要

片麻痺者が歩行する際の主観的な経験、たとえば「動かそうと思っても動かない」「(逆に)勝手に動いてしまう」などの運動と知覚とのずれに着目し、これらの感覚を健常者も非侵襲且つ安全に擬似体験できる手法を開発した。

応用・展開

・ 4つの開発指針に基づく各実験システムを検証し、擬似体験装具(実機)を試作する。・ 擬似体験デザインのオープン化:理学療法士や看護師などの育成に加え、一般生活者も対象にした体験手法のWEB公開・体験実習やワー クショップの開催により様々な擬似体験を実施・フィードバックすることで、社会生活に浸透した体験装具の開発を目指す。・ ユニバーサルデザインに関わるデザイナーやエンジニアなどに対して効果的な擬似体験を提供することで、あらたな製品開発を支援する。

優位性

・ 当研究室にて独自に開発した腱振動刺激法での運動錯覚、反射運動、負荷変動の3つの働きを組み合わせることにより、運動と知覚とのずれを擬似体験できる可能性を有している。・ これまで、主観的イメージや身体感覚の伝達・新たな身体表現の創出などを支援する「道具」のデザイン原理を研究してきており、認知神経科学などの見地からリハビリテーション支援にも取り組むことができる。

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

資料

  • 片麻痺歩行擬似体験ツールの特長
  •  片麻痺歩行擬似体験ツールの完成イメージ
掲載日: 2012/03/19