統合化指標ELP(Environmental Load Point)による環境影響評価手法の開発

2012-0312-01
研究者名
研究者情報 永田 勝也 教授 (当時)
所属
理工学術院 大学院環境・エネルギー研究科
キーワード
環境技術・環境材料 、 環境影響評価・環境政策 、 社会システム工学・安全システム 、 資源保全学 、 熱工学

背景

深刻化する地球温暖化、エネルギー問題への関心の高まりの中で、様々な分野で環境負荷削減の取り組みが行われている。環境負荷の発生源として、産業・運輸・民生などの部門が挙げられるが、我々の日常生活が含まれる民生部門においては、日常生活の行動改善が、どの程度環境負荷削減に貢献しているかが明確でなく、他の部門に比べて積極的な取り組みが行われてこなかった。

シーズ概要

ELP(Environmental Load Point)とは、本シーズにおいて開発を行った、LCA(Life Cycle Assessment)における統合化指標の1つである。
「エネルギー枯渇」「地球温暖化」「オゾン層破壊」「酸性雨」「資源の消費」「大気汚染」「水質温泉」「廃棄物処理問題」「生態系への影響」の9つの環境影響項目に分類を行い、パネル方法によるアンケート調査によりカテゴリー重要度を定めた。このカテゴリー重要度を係数として、異なる分野における環境負荷を同一単位で評価を行える統合化指標を開発した。

応用・展開

ELPを用いたLCAを行うことで、従来は評価が困難であった、民生部門での取り組みの定量評価を容易に行うことが可能となり、民生部門での積極的な環境負荷削減を促すための指針とすることができる。また、LCAをさらに発展させ、ライフスタイルによる行動とそれに使用する製品の環境負荷を総合的に評価するLSA(Life Style Assessment)として、より広範な評価を行うことが可能となる。

優位性

異なるカテゴリーにおける行動でも、各種の環境配慮行動が実際に環境負荷削減に与える効果を相対的に評価できることに加えて、他の評価手法にはない、製品のライフサイクルだけでなく資源投入から廃棄までを含めた一貫した評価を行うことができる。

提供目的

受託研究、共同研究

資料

  • ELPを構成する9つのインパクトカテゴリーとカテゴリー重要度
  • ELPを構成する9つのインパクトカテゴリーとカテゴリー重要度

関連論文

  • 永田勝也,小野田弘士,永井祐二,山内崇裕,統合化指標ELPを応用したライフスタイルアセスメント手法に関する検討,日本エネルギー学会大会講演要旨集 (20), 330-331, 2011-08-09.
  • 永田勝也,小野田弘士,森部昌一,中村太郎,統合化指標ELPにおけるカテゴリー重要度の推定,環境工学総合シンポジウム講演論文集 2006(16), 177-180, 2006-07-11.
  • 永田勝也,納富信,谷川泰崇,高岡孝嗣,統合化指標 ELP を用いた環境負荷削減効果の評価,環境工学総合シンポジウム講演論文集 2002(12), 433-436, 2002-07-09.
掲載日: 2012/03/12