数値計算によるリチウムイオンバッテリ内部輸送メカニズムの解明技術

2012-0220-01
研究者名
研究者情報 草鹿 仁 教授
所属
理工学術院 創造理工学部
専門分野
熱工学
キーワード
シミュレーション工学 、 省エネ技術 、 計測理論 、 数値流体力学 、 エネルギー節約・効率利用

背景

自動車用リチウムイオンバッテリは高いエネルギー密度や出力密度が期待できる一方で、過酷な使用条件下における電池の熱管理が課題となっている。そこで、エネルギー方程式と内部輸送の支配方程式を連成し、同バッテリの内部輸送現象メカニズムを解析する数値計算を実施することで、異常発熱の解明を行い品質の向上を図る。

シーズ概要

汎用数値計算ソフトBDS(Battery Design Studio)にて設計したHEV(ハイブリッド車)用リチウムイオンバッテリを用いて、「実機の定電流試験」シミュレーションを実施できる。シミュレーションにより獲得した基本特性である充放電曲線からバッテリ性能を効率で簡易的に表現しHEVシミュレータに導入可能である。

応用・展開

実機試験データと比較しても充分な精度が得られており、本シミュレーションデータを用いて、熱対策性能が向上した各種リチウムイオンバッテリの設計が可能である。これにより、実機試作コストを抑え、耐久性、安全性、製品寿命等を向上させたリチウムイオンバッテリが開発できる。

優位性

バッテリ性能を実機試験にて取得するのではなく、バッテリ内部のリチウムイオン輸送メカニズムを支配する偏微分方程式を解くことで再現しているため、実機試験では予測不可能な内部現象の解析も可能となる。そのため、異常発熱のキーパラメーターの獲得が可能となり、バッテリの熱管理に有効な設計指針を取得できる。

提供目的

受託研究、共同研究

資料

  • リチウムイオンバッテリシミュレーションの概要
  • 予測精度検証及び基本特性シミュレーション例
掲載日: 2012/02/20