人工赤血球の製造法

2011-1027-01
研究者名
研究者情報 酒井 宏水 客員上級研究員 (当時)
所属
研究院(研究機関) 重点領域研究機構
キーワード
医用生体工学・生体材料 、 生体関連化学 、 生物分子科学 、 応用薬理学 、 再生医療

背景

日本の輸血システムは世界的に高い水準にあるが、血液型や感染源への対処、災害時の危機管理等の観点から問題を残している。
人工血液は、それら輸血における諸問題を一挙に解決できる可能性を有している。

シーズ概要

酸素を結合するヘモグロビンを脂質膜で包んだ人工赤血球の製造方法。
(a)血液型が無い、(b)ウィルスなど感染源が排除されている、(c)室温で2年以上安定、(d)大量投与しても代謝系を経て分解排泄される、(e)血漿中に均一分散して、赤血球が到達できない末梢組織まで酸素を供給する、(f)出血性ショック蘇生液として、赤血球と同等の酸素運搬効果と安全性を有することなどが示されている。

応用・展開

・ 輸血では対応できない疾患や虚血性疾患、がん治療など
・ 酸素供給能力を活かした臓器保存液、再生医療における利用
・ 細胞保護効果を有するCOガス運搬体

優位性

化学的に安定であり室温で2年以上の保存が可能。粒径、酸素親和度や粘性などの物性値の調節技術が蓄積されている。
動物試験(ラット、ハムスター、ビーグル犬、カニクイザル)により安全性・有効性等を確認済み。
また、工業的生産を見据えた発展的製造方法の開発も進めている。

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

資料

関連論文

  • H. Sakai et al., Am. J. Physiol. Heart Circ. Physiol. 298, H956-H965 (2010)
  • H. Sakai et al., J. Intern. Med. 263, 4-15 (2008)

他のシーズ

  • 人工赤血球の新しい臨床応用
  • 世界の動物輸血医療を変える人工赤血球
掲載日: 2011/10/27