極低エネルギー化を実現する統合化システムLSI設計技術

2011-0908-01
研究者名
研究者情報 戸川 望 教授
所属
理工学術院
専門分野
計算機システム,地理学
キーワード
情報学基礎 、 計算機システム・ネットワーク 、 知覚情報処理・知能ロボティクス 、 電子デバイス・電子機器 、 通信・ネットワーク工学

背景

情報通信の中心的な役割を担うLSI(大規模集積回路)はそれ自体が大きな電力を消費する。LSIにおける消費エネルギーを削減し、LSIが組み込まれた機器の動作時間の延長や機器そのものの長寿命化を行うことは喫緊の課題となっている。

シーズ概要

LSIを構成する3つの要素である機能モジュール・記憶要素・制御要素に対して、「強結合」ならびに「弱結合」という新規概念による抽象化モデルを構築することで、上位工程から下位工程までを一貫した緩やかなルールを導入する。
さらに、従来の階層的な設計工程にとらわれず、導入したルールに従って設計工程を互いに協調させることで、「低エネルギー指向上位下位統合化LSI合成アルゴリズム」を達成したLSI設計技術を確立することができる。

応用・展開

個別のLSI部品の低エネルギー化だけでなく、本シーズのアルゴリズムを用いて上位工程から下位工程を「ほぼ完全に制御」することで極めて精度の良いエネルギー最適化を行ったLSI設計が可能となる。その結果、今後設計・製造されるLSI全てについて最大50%以上の普遍的な低エネルギー化が可能となる。

優位性

従来の設計技術では、工程ごとの低エネルギー設計は可能であったが、LSI全体では予想通りの削減効果が得られなかった。それに対して、LSI設計における抽象モデル化・アルゴリズム化を達成することで、全体を見通したより高効率なLSI設計を実現することができる。

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

資料

関連論文

  • Akira Ohchi, Shunitsu Kohara, Nozomu Togawa, Masao Yanagisawa and Tatsuo Ohtsuki, Floorplan-driven high-level synthesis for distributed/shared-register architectures IPSJ Trans. on System LSI Design Methodology, vol. 1, pp.78-90, 2008.
  • Akira Ohchi, Nozomu Togawa, Masao Yanagisawa and Tatsuo Ohtsuki, Floorplan-aware high-level synthesis for generalized distributed-register architectures IEICE Trans. on Fundamentals of Electronics, Communications andComputer Sciences, vol. E92-A, no. 12, pp. 3169-3179, Dec. 2009

他のシーズ

  • ICカードの脆弱性の解明とその対策手法の構築
  • 皮膚に優しいケミカル健康モニタ
  • ハードウェアトロイの検出方法、ハードウェアトロイの検出プログラム、およびハードウェアトロイの検出装置
  • 検出方法及び検出装置
掲載日: 2011/09/08