室内における二酸化塩素ガスの濃度制御手法に関する研究

背景

現在、高病原性インフルエンザウイルスの大流行の危険性などが懸念されており、感染防止対策が様々な分野において求められている。建築分野からの対策手法の一つとして二酸化塩素ガスを室内に散布する方法が提案されている。二酸化塩素ガスにより感染制御を行う際にはその安全性、有効性を確保するために濃度管理が重要となる。

シーズ概要

本研究は、二酸化塩素ガスの中濃度域(本研究では、0.1ppm~3.0ppmとする)における問題点の把握、効果的な利用法の提案を行うことで二酸化塩素ガスの濃度制御手法の確立を目的とする。
 二酸化塩素ガス濃度低減装置の開発を行い、各種フィルターに対する1㎥チャンバーを用いた性能試験、装置の効果検証を行うために、実際のオフィス空間を対象とした燻蒸後の二酸化塩素ガス濃度低減を確認する実空間実測を行った。また、活性炭の二酸化塩素ガス吸着能力を測定した。

[研究成果]
1)活性炭の高い二酸化塩素ガス吸着能力が明らかになった。
2)活性炭フィルター条件の相当換気量は大きく、特にハニカム状活性炭フィルターで顕著であった。
3)ハニカム状活性炭フィルターを用いた際、装置風量を増すと、装置風量に対する相当換気量の割合は低下するが、相当換気量は大きくなった。フィルター厚さを増すと、装置風量当たりの二酸化塩素ガスの捕集率が上昇することが分かった。
4)ハニカム状活性炭フィルター30mm厚を装置フィルターとし、対象室容積、装置風量、装置フィルター面積を変数とした、燻蒸後の装置によるガス濃度低減時の室内二酸化塩素ガス濃度予測式を提案した。
5)実大居室での実測結果から、装置運転による二酸化塩素ガス濃度低減効果が確認され、実空間において二酸化塩素ガス濃度低減装置の有効性が示された。

応用・展開

今後、室内に存在する二酸化塩素ガス濃度低減要因の整理、各項目の影響度の調査を行い、より詳細な室内二酸化塩素ガス濃度予測により、安全、有効な二酸化塩素ガスによる感染制御手法を提案する。

優位性

室内燻蒸消毒後の二酸化塩素ガス濃度低減方法を提案した。

提供目的

受託研究、共同研究、技術相談

資料

  • 濃度低減装置外観図
  • 二酸化塩素ガス無次元化経時変化(各種フィルターの二酸化塩素ガス濃度低減実験)
  • 二酸化塩素ガス濃度予測式
  • 二酸化塩素ガス無次元化経時変化(実大居室での装置効果検証実測)

関連論文

  • ・尾方ら : 新型インフルエンザ感染防止対策に関する研究 その11, 日本建築学会大会学術講演梗概集, 2012
  • ・篠田ら : 新型インフルエンザ感染防止対策に関する研究 その12, 日本建築学会大会学術講演梗概集, 2012
  • ・尾方ら: 新型インフルエンザに対する感染防止に関する研究(第4報), 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集, 2012
掲載日: 2012/10/01